江戸時代末期 日本酒はすべてが 生もと造り と呼ばれる手法で造られていました。
その生もと造りから改良を重ねた酒造り、それが福千歳が得意とする **山廃仕込(山廃廃止もと仕込)です。
山廃造りの特徴は生もと造りの中の山卸作業(櫂入れ作業)を廃止し効率化を進めながらも、
麹を仕込水に加えてさらに蒸米を加えることで廃止した分と同等以上の効果を得ることに他なりません。
現在では、*速醸仕込 という更に効率化された造りが大半をしめており、山廃仕込は手間隙をかけた貴重なお酒となっています。
【*速醸酒母】 は醸造用乳酸を添加するのに対し、【**山廃酒母】は自然に乳酸を育成するため、
酒母の育成に約30日の日数を必要とし(速醸の約2~3倍)、とても手間暇掛けたお酒といえます。
明治42年(2009年)に国の醸造試験所で開発され 実用化された【山廃仕込】
その時から100年の歳月が過ぎました。
蔵人さんは(ダキ)といっています。
中に氷やお湯を入れてもろみの温度を調節するものですが、山廃仕込ではお湯と氷が頻繁に出たり入ったり
操作がとても大変です。
中はちょうどやかんのふたをあけたようになっています。この中に熱いお湯が入ったり、氷が入ったりするわけです。 速醸酒母を醸す時もこの道具は使われますが、山廃酒母では 約三倍 このダキが使用されます。
それだけ、手間暇かかるお酒が 山廃仕込なのです。